第3の歯科疾患(Tooth Wear)
むし歯でもないのに歯が溶けるのは、なぜ?
歯の表面をよく見ると、むし歯でもないのに歯が溶けて歯質がなくなっている歯があります。このような歯の症状を「Tooth Wearトゥースウエア(歯が磨り減る)」と言います。現在、97%の人に大なり小なりTooth Wearがあると言われています。
むし歯や歯周病が改善しているのに比べ患者数が増えていることから、歯の寿命を縮める「第3の歯科疾患」として注目されています。
Tooth Wearは原因によって3つに分類され、磨り減った程度に応じて修復治療などが行われます。しかし、Tooth Wearの進行は緩やかなので、治療よりも症状を引き起こしている原因を取り除くような生活習慣の改善や予防の方が重要になります。
【Tooth Wearの分類】
■酸蝕(さんしょく)・・細菌以外の酸によって歯質が溶かされることです。原因は主に酸性食品やスポーツドリンク、胃酸などに歯がさらされることによります。酸の強い食品によって歯が溶けてしまう酸蝕は、最も身近なTooth Wear です。
■咬耗(こうもう)・・歯と歯が接触して磨り減ることです。かみ合う面が平らになっていることでわかります。
■摩耗(まもう)・・歯磨きをし過ぎるなど、かみ合うこと以外の原因で歯が磨り減ることです。
【身近な酸蝕の予防法】
基本的にはむし歯の予防と同じですが、食習慣が大きく影響するので、それを改めることがポイントです。
- 食事は時間を決める(口の中を長く酸性にしておかない)
- 酸性食品の摂り過ぎやだらだら飲みを止める
- 食べたら口をすすぐ(酸をできるだけ早く流します)
- 食後3分以内にできれば磨く。ただし研磨剤入りの歯磨剤は使用不可
(食後3分くらいで、歯が溶けだす限界ph5.5以下になり、研磨剤入りの歯磨き粉で磨くと歯が容 易に削れるため使用不可)プロエナメル(研磨剤なし)、メルサージュヒスケアなどで磨く。
- フッ素を使う(歯質を強化し酸に耐えられる歯にします)
- 歯科医院で定期的なチェックを受ける(フッ素を使ったケアを受けましょう)
ご予約・お問い合わせ